宗教不動産専門のマッチングサイトである“境内地ネット構想”は、10年以上前に遡ります。
平時、不動産会社に勤める発起人は、自らも先祖代々の信仰を持つ身であるため、境内不動産の売買依頼を頂くことが幾度かございました。
世の中には、多数の不動産会社や、不動産売買検索サイトは多数ありますが、境内地という特殊性から宗教不動産に特化した専門検索サイトが必要と考えるきっかけとなったのが、信徒様1名を残し、宗教法人解散に伴う境内地売却の事案でした。
売却される宗教法人側のご担当者様と共に現地へ赴いたところ、近隣のお住まいの信者様が現地に居られ、泣きながら「私はこれからどうしたらいい」とご担当者様に一言・・・
平時不動産業に従事する者として、お立合いさせて頂いた業務ではありましたが、いくら仕事とは言え自らも信仰を持つ身としては“信者様の心の拠り所を潰してしまうことに” 自分の行いに対する大きな罪悪感や、聖域を壊すしか無かったのかという虚無感が襲ってきた場面でした。
この場面の数か月後に、今度は上記地域周辺で居抜きの境内建物探索のご依頼が同一宗派の購入希望宗教法人様から有り、あと数か月早くお話を頂いておれば上記売却事案とのマッチングできたのにと強い無力感を感じ、境内地ネット構想を考える日々が続きます・・・
当時は境内地の売却情報は、不動産業界の情報共有システム(レインズ:国交省主導の情報共有システム)にも掲載が無く、結局、購入物件探索依頼法人様は、民家を購入後、多額の改装費をかけて神殿などに改装されることとなり、安く売却して、高く購入される結果となり、両者をマッチング出来なかったことが悔やまれました、当時は、宅建業者として守秘義務があり、時期がたとえ合致していたとしても、依頼者の許可なくマッチングが出来ない法的な縛りがあり、悔しい思いをしたことを今でも覚えています。
この時の出来事がきっかけで、遅ればせながら宗教不動産専門のマッチングサイト開設の運びとなり、この度お力添え賜りました皆様のお陰で、“境内地ネット”を公開出来ることとなりました。
少しずつではありますが、ご利用者様のお声を賜りながら、お役に立てるサイトになれるよう改善を続けて参りますので、どうぞご指導の程を宜しくお願い申し上げます。